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ごくんの旅日記

迷ったらワクワクする方へ!旅が好きです。

フィルムイズノットデット

 

愛用のフィルムカメラのバッテリーサインが

点滅していた。電池切れ、を教えてくれている。

 

それが発覚したのはふいにカメラを地面に

落としてしまったから。落としたことが

直接の原因なのか定かではないが、確認した

のはカメラを落としてからすぐのこと。

 

バッテリーを一度取り出し、ゲーム機のカセットと

同じ要領で、ふぅーっと勢いよく息を吹きかける。

 

幼い頃からの常識。おまじないの域だろう。

 

再度、電源を入れるもバッテリーは切れたまま。

旅に出る前、“持っていくべきもの”をメモしていた。

フィルムは6本しっかり買い込んだのにカメラの心臓

部分であるバッテリーのことはすっかり忘れていた。

 

バッテリーが心臓だとすると、カメラ本体が

身体で、フィルムは脳、といったところかな。

 

とにもかくにも、こうなってはこのサムライ

(このカメラの商品名)では現状、写真を撮る

ことが出来なくなってしまった。

 

考えよう。

 

まず、大前提としてこのサムライは

1980年代のフィルムカメラであり、この時代

にコレを使っている人は限りなく少ない。

 

大手のニコンやキャノンといったメーカー

ではなく、京セラが出した珍品だ。

 

心臓、と言ったバッテリー自体も製造数は

少ないだろうし、販売店舗も数少ない。

日本でも売られているところは限られている

ものがベトナムや、これから訪れる国々で

売っている訳がない…

僕はまず、旅先で心臓を見つけることを

優先的に考えるのはやめにした。

 

次に考えたのは別のフィルムカメラを購入すること。

 

脳と謳ったフィルムはあるし、少し大きな街へ

いけば身体はいくらでもあるだろう、と考えた。

 

だが、やはり心配になってくるのは心臓部分の

バッテリー(電池)問題。

 

カメラによって入れる電池はそれぞれ違う。

その電池もセットで同じ場所に売っているので

あれば購入するのも悪くない。所持金はもちろん

限られているが、この先ずーっとフィルムカメラ

で写真を撮ることが出来ない方が僕にとっては

数倍嫌なことであり、重要なことだと感じている。

 

僕はカメラに詳しくもないのでこの選択には

新しい身体を使いこなさなければならない

という試練も待っている。それはそれで楽しい

ことは間違いないが。

 

1つ選択肢が見つかった。

 

もう1つの考えは、日本からサムライの心臓を

送ってもらう、持ってきてもらうというもの。

 

サムライには思い入れがある僕はどちらかと

いうとこの選択をしたいと思ってしまっている。

 

まず“送ってもらう”に関しては一定の住所に

居続けなければならないという縛りが発生する。

自由に動きたくて1人で旅に出たというのに

それの為に長いこと待たなくてはいけなくなる。

 

だが、僕にとっては優先事項上位である

フィルムカメラで写真を撮りたい”という欲。

その為なら必要な時間、とも思える。

これも1つの選択肢として頭に入れておこう。

 

 

そして次に“持ってきてもらう”という他人に

頼り切った考え。

これは条件として現在、日本にいる友人で

今後、僕が訪れる国や地域に行く予定のある人

(僕の旅程と時期も合う人)という特定のもの。

 

この頼みを受け入れてくれる友人、とはどれ

だけ優しい人間なんだ?思わず笑ってしまう。

 

数人、思いつく友人がいる。

が。

だが、である。

僕の指定する秋葉原のカメラ屋に行ってもらい

購入し、決して重いものではないが荷物として

持ってきてもらう。運び屋じゃないか。。

 

ダメで元々。

こちらでバッテリーはもちろん見つからずカメラ

本体も見つからなければお願いしてみようか。

 

動画に特化したゴープロは変わらず使わせて

いただき、写真はどうにかスマートフォン

我慢する、という日々を過ごす。

 

初めての国、初めての街。

到着したばかりの景色と、その街を離れる日の景色。

 

いつか現像したときにその写真を見て

街も人も動いていたことを改めて確認して。

 

その“間”で

自分が心を動かしたことにも気付いて。

 

仲良くなったロシア人の日焼け跡。

ゴミ箱の上に置いてある半分残った瓶ビール。

ランタンを か細い声で売るおばあちゃん。

歩道の面積大半を占領し、停めてあるバイク達。

 

フィルムカメラで撮りたい、と思う理由は

その前後を想像させる“間”にあるらしい。

 

粗雑だけど、より鮮明に見せてくれるというか。

 

いや。単純に僕は東南アジア×フィルムカメラ

の相性がいいと思っている。それだけかも。

 

 

よし、ゆっくり決めよう。

“瞬間”は無限に引き伸ばせるみたいだから。

 

 

あぁ〜バス23時間かあ〜

おっくうマン。